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 神様のパズルその2

神様のパズル (ハルキ文庫)
さて原作を読んでみました。

まず思ったのは、以外に原作のエピソードを取り込んでるなぁってことです。ただもちろん非常に大きく違うところがあります。それは最後のオチが違うって事。ただそれはわかる気がします。原作のラストはとてもよくできているんですが、あくまで小説として良くできているんです。あれをそのまま映像にしても地味で説明くさくなってしまう可能性大です。その結果大きく映像的なカタルシスを得られるようにしたものが映画のクライマックスでしょう。そりゃーシーケンサーが第9を演奏するよりも、天井突き破って落ちてきた主人公が、エレキの弾き語りで歌う方がインパクトありますからネ(このシーンと谷村美月のオッパイだけが原作を超えてますネ)。あとラストを変えた事で父親のエピソードは不要になったので、登場人物を一人減らすことに成功してますしネ。おばあちゃんはライター(NAKA雅MURA)が気に入ったのか最後まで元気で生きていますが、ラストがああなったので別にいいのかなと。あと、映画では、主人公が”綿さん”と呼ばれない(かったよネ?)ため、穂端沙羅華って名前に意味があるってことがまったくわかんなかった(綿さんのバイト先を当てるエピソードもないしネ)。最後にひとつだけわからないのは、この前の記事にも書いたんだけど、弟のエピソードが意味不明なことです。たしかに原作のオチにも哲学的命題ってのは重要なテーマになってますけど、あの弟のエピソードがこの映画の中で重要なメッセージになってるように思えないんですよネ。主人公を原作よりさらに無知な熱血漢にしたいって仕掛けはわかりますが、それなら最初のエピソードだけであそこまで引っ張る必要がないですからネ。
しかし、原作付きの映画で原作を超えるのってホント難しい。コレも、村上龍の”LOVE&POP”も、映画観てから原作読んだけど、やっぱり原作の方がおもしろいもんなぁ。やっぱ原作に近ければ近いほど難しくなりますネ。逆に基本プロットやアイデアのみを拝借した場合には意外におもしろい作品ができるものです。”BLADE RUNNER”しかり、”2001 A SPACE ODYSSEY”しかり。あとボクの好きな映画で村井さだゆき小中和哉の”謎の転校生”とかもそうです。